姿見・・・全身を写す、大型の鏡のこと。










忙しい毎日を過ごしていると、本当の自分の姿から目をそらしていることが多い。
本当はどこかで気がついていたけれど、見て見ぬふりというか、気がつきたくなかったというか・・・。
10年前の自分とは、明らかに年齢以上の変化があった。
ただ歳をとっただけではなく、年齢と共に増えた体重。
と同時に、見た目はあきらかに10年以上老けたと思う。
もしかして20年くらい?
よく、テレビショッピングのダイエットのコーナーとか、エステティックのチラシとかでも見るけれど、痩せただけで、かなり若く見えたりする。
私は見事にその逆を行ってしまった。
この10年の間に結婚・出産を経験し、育児と結婚生活・近所付き合いのストレスから、食べることでのストレス発散を実行し、増えた体重も10キロを軽く超えてしまっている。
いまさら、何を言っているのか、言い出したのか?
私は見たくないものを見てしまったのだ。


  学校の姿見で衝撃の真実
























忙しく過ごしているうちに、いつの間にかわが子も小学生になった。
わが子が通う小学校の玄関には大きな姿見がある。
玄関を入って突き当りの廊下の柱に設置してある鏡だ。
廊下の曲がり角付近にあるそれは、たぶん衝突防止の役割もあるのだろう。
わが子が入学して1ヵ月が経過した頃。
気がゆるんだのか、風邪をひいてしまった娘は、学校で気分が悪くなってしまい、お迎えに来てほしいと学校から連絡が入ったのだ。
熱はないというが、学校からの呼び出しに、あわてて家を出た。
お化粧も朝簡単に済ませただけで、特に出かける用事もなかったので、どうでも良い格好で家にいた。
あまりに慌てていたので、そのどうでも良い格好で家を出てしまった。
保健室の場所すらまだ把握していなかったので、職員室に声をかけた。
事務の先生らしき人が、愛想良く対応してくれて、玄関まで娘を連れてきてくれるという。
娘を待つ間に気がついた姿見。
そこに映る自分の姿。
正直驚いた。
私ってこんなにおばさんだった?
いつの間に、これほど老けてしまったのか・・・?
結婚前より、確実に変化した容姿。
消えかかった眉毛もひどいものだ。
ストレスが顔全体に広がっている。
見た目は、表現しがたいほどだった。
それから、先生が娘を連れてきれくれるまでの間、私は必死で髪を整え、前髪で眉毛を隠すように整えた。
着ているものを変えることができないのが、恥ずかしい。
ちょっとはマシなアンサンブルでも着てくればよかった。
タンスにある、洋服が頭に浮かぶばかりでどうしようもない。
その姿見を見たことがきっかけで、私は変わらなければ、と思うようになったのだ。

   





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